物理法則で冷やす「究極の安全性」|次世代原子炉SMRが拓く脱炭素の未来
小型モジュール炉(SMR)の最大の革新は、従来の原発とは安全の考え方が根本的に異なる点にあります。
従来の大型炉は電力やポンプを用いた能動的な冷却が必要でしたが、SMRは重力や水の自然対流を利用した「受動的安全」機能を備えています。
これにより、万が一電源が失われても人の手を介さず、物理法則によって自動的に冷却が継続されます。
また、原子炉を地下や水中に設置する設計は、テロや航空機衝突などの外部衝撃に極めて強く、周囲の土や水が天然の冷却材として熱を封じ込めます。
さらに小型ゆえに放射性物質の総量が少なく、異常時の影響範囲を敷地内に留めることが理論上可能です。
核のごみやサイバー対策といった課題は残るものの、電源喪失が致命傷となった過去の教訓を乗り越え、物理法則のみで安全に止まり、冷え続けるという仕組みは、脱炭素社会の実現に向けた極めて大きな進化と言えます。